加工でん粉は、生でん粉に物理的、酵素的、化学的に加工を加えたものを言い、食品に利用する際に本来のでん粉機能の他、冷水可溶性、糊化温度調整、対塩性、粘性挙動安定性、冷蔵・冷凍保存性、解凍安定性等付加機能を付与したでん粉製品です。
物理的加工は、乾燥、加熱、かく拌処理を行い、酵素的加工はα-アミラーゼ等で酵素処理を行い、化学的加工は各種修飾物質を用いてデンプンを構成するグルコース鎖の水酸基に種々の官能基を導入し、デンプン分子間及び分子内架橋させ、またはそれを組み合わせて、高機能性を持たせた加工です。
加工デンプンは、欧米を始めとする諸外国において許可を得て広く使用されており、日本でも2008年10月1日に官報で告示され、即日施行されています。
食品用でん粉分類 | 種類 | 特徴 |
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生タピオカでん粉 | 生でん粉、低水分でん粉、低TPCでん粉 | 糊液の老化が少なく、透明性が高く、増粘剤に適している。 |
ワキシタピオカでん粉 | Non-GMOワキシタピオカでん粉 | アミロペクチン含量が高く、主に米菓、餅類に使用される。 |
食品でん粉 | 漂白でん粉 | 白度が高いので、水産練り製品、麺等に用いられる。 |
加工澱粉 | 酢酸でん粉 | 耐老化性、透明性に優れている。タレ類や麺類に使用される。 |
酸化でん粉 | 糊液粘度が低い、粘度安定性が高く、老化しにくい。 | |
アセチル化酸化でん粉 | 酢酸澱粉と酸化澱粉の両方の特性を持つ。 | |
リン酸架橋でん粉 | 剪断耐性、高温耐性を持つ。 | |
アセチル化リン酸架橋でん粉 | 老化耐性、剪断耐性、高温耐性を持つ。 | |
ヒドロキシプロピルでん粉 | 透明性、老化耐性、耐冷凍性を持つ。 | |
ヒドロキシプロピルリン酸架橋でん粉 | 透明性、老化耐性、耐冷凍性、剪断耐性、高温耐性。 | |
オクテニルコハク酸でん粉 | 親油性有り、エマルジョンを形成。乳化性能。 | |
レジスタントスターチ | 食物繊維高含有でん粉 | 整腸作用、血糖調節、カロリー低減。 |
α化でん粉 | 冷水可溶性でん粉 | 分散性良好、高濃度糊液調製可能。 |
α化加工澱粉 | 冷水で糊化、インスタント食品、防災備蓄食品。 | |
油脂でん粉 | 油脂加工澱粉 | ゲル強度増加、膨潤度の抑制、吸水性の増大。 |
デキストリン | 焙焼デキストリン | 低粘度、冷水可溶性 |
食品素材 | 種類 | 特徴 |
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タピオカファイバー | タピオカ由来食物繊維 | 整腸作用、血糖調整、カロリー低減。 |
タピオカ粉 | 粗精製タピオカ粉 | 各種食品への利用。 |
糖類 | イソマルトオリゴ糖 | 甘味、保湿性、粘度、耐熱性、耐酸性を有す。 |